先日、「独立したいけど自分の顧客がいませんが大丈夫ですか??」という質問をいただいたので、私の見解で回答したいと思います。
前職で指名がたくさんあったとしても、その顧客を持ち出すのはルール違反です。
そもそも、個人情報はお店が保有しており、美容師さん個人のものではありません。
個人の能力で指名をとっていたとしても、そこには『お店の看板』が前提にあっての話なのです。
いくら個人についている「指名客」であっても、『お店の資産である』というのが大前提です。
でも、オーナーさんのご好意により、『独立のご案内をしてもいいよ』といってくれる優しい方もいます。
※私も社員の独立開業時は、「独立開業に伴う退社です」というご連絡DMの発送を許可しています。
優しいオーナーさんであれば、本来100%お店の顧客であるにもかかわらず、50%くらいは個人のおかげと考えてくれるケースもあるわけですね。
当然、選ぶのはお客さんです。
「退社後に担当者がどこに行くのか」をお知らせするということまでは、お客様への礼儀としても必要であるとも私は考えています。
独立する美容師さんにとっての独立は、当然『価値』があるわけですが、お客様からみたらどうでしょうか??
もし、同じ価格、同じ仕事をするのであれば、お客様にとってはただの『移転』でしかないのです。
場所が分かりづらくなったり、遠くなったり・・・
どちらかといえば、『迷惑』な行為になるお客様もいるはずです。
『前の店の方がよかった』と思われるケースもめずらしくはありません。
以上のことを踏まえると、私は顧客がゼロからスタートするという気持ちが大切だと考えています。
せっかく独立開業するんですから、新しい自分の価値で、新しい顧客を育てていった方が長期的にみても成功します。
短期的にみれば、以前の顧客がきてもらう方が良いですが、そこを維持する経営方法を続けていくと、「集客能力が育たない」という考え方もできるからです。
◎顧客情報の持ち出しはNGであり、お客様はお店の資産であるのが前提
◎短期的には今までの顧客がいたほうがいいが、長期的には新しい価値で新しく集客していくほうがいい
わたしはこのように考えます。
顧客はゼロからスタートするという気持ちで独立することをお勧めいたします。
====================
福島県内で9店舗の美容室を運営。 社員の平均月収は35万以上、離職率5%以下を維持。 2015年〜現場を引退し、美容室経営はリモート化。 現在は主に美容室経営のコンサルティングサポートをしている。 著書「脱・職人経営」はアマゾンレビュー200件以上で韓国でも翻訳された。