ど田舎サロン再生をテーマに活動している神崎智樹です!
前回では法定労働時間について書きました。
今回は有給休暇について。
知らないとまずい「有給休暇」のポイントとは?
正確には「年次有給休暇」といいます。
スタッフにとっては給料を減らされずに休むことができる魔法が使えるようなもの。
オーナー側からすれば「なんでだ!」という気持ちが湧くのも理解できないわけではありませんが・・
しかしスタッフ定着のためには「脱ブラックサロン」が大切なので、しっかり整備していきましょう。この「年次有給休暇」も労働基準法により必ず与える必要があります。
違反した事業主(オーナー、会社)には罰則があります。
今回は罰則を受けないために気を付けるべき3つのポイントについて解説していきます。
①与える日数
字の通りで、1年間につきスタッフに与える有給休暇の日数は法律で決まっています。
しかし、スタッフには雇用後すぐに有給休暇の権利が発生するわけではありません。
「雇入の日から起算して6ヶ月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、または分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない」
とあります。
要するに、年齢は関係なく、新卒であろうが中途採用であろうが入社後半年経つと、有給休暇を10日間取れる権利が発生します。(店には与える義務が発生)
その後は1年継続するごとに年間に数日ずつプラスされていき、6年後(つまり6年半継続勤務すれば)には年間20日の有給休暇の権利がスタッフには発生します。
表にまとめると
継続年数 | 0,5年 | 1,5年 | 2,5年 | 3,5年 | 4,5年 | 5,5年 | 6,5年以上 |
付与日数 | 10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 |
このようになります。
お店のスタッフの勤務年数と照らし合わせてみてください。
②どんなときに与えるの?
ではどんな場合に有給休暇を与える必要があるのでしょうか。
一般的に言えば、病気や急なお悔やみができて有給休暇を使って休むことが多いと思います。
しかし法の趣旨は労働者の疲労回復やリフレッシュを図ることに目的をおいてあるので、「休暇の利用目的は問わない」とされています。
つまり、旅行に行くから、コンサートに行きたいからのの理由でも、その理由を持って店は取得を拒否できないということになります。
では、店やオーナーは全く拒否できないのでしょうか?
いやいやそんなことはありません!
「労働者が有給休暇を請求した場合において、事業主は請求された時季に事業の正常な運営を妨げる場合には、他の時季に与えることができる」とされています。
忙しい時期や忙しい曜日などに遊びにいくから休みたいというのを、阻止することができます。そんなのが認められてしまうとたまったものではありませんからね。
「悪いけど他の日にしてくれるかな?」
と言える訳です。
しかし繁忙期でない時には、オーナーから「今は忙しい時期でないから、交代で有給休暇とりなよ!」と言ってあげたいものです。
スタッフは喜ぶし、ぐっとスタッフからの信頼感が上がると思いますよ。
③どう与えるの?与えないとどうなる?
では上述の決められた日数を与えなければ法違反に当たるのでしょうか?
これも違います。
スタッフは入社6ヶ月後から上述の有給休暇の権利は発生しますが、その全てを必ず与えなくてはいけないというのではありません。
スタッフからの請求、申し出があって初めて取らせる義務がオーナーに発生します。
また、丸ごと1日の休暇を与えなければならにということでもありません。
サロン営業の影響を少なくするために時間単位で与えることもできます。
詳しく書くと長くなりすぎるので、もっと詳しく知りたい方は下記のLINEでメッセージください。
また法改正があり、法定有給休暇のうち5日間は計画的に取らせることが必要になりました。
違反すると罰金○○万円・・
今のうちにちゃんと整備してスタッフからの信頼を得て、労働基準監督署の処分に遭わないようにしていきましょう。
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経営者にとって悩みは尽きませんし、社会保険労務士などの専門家に相談するのもなかなかハードルが高いものです。
私は自らも痛い経験をしながら業績UPや労務問題に取り組みました。そんな経験をして欲しくないですし、小さなサロンオーナーの味方です。ぜひ1度ご相談ください。
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Myhair 私ノ髪 LUMOSat.myhair 代表取締役。
四国・香川県のそのまた地方都市で2店舗のサロンを経営。
経営を始めた当初はスタッフの入社と離職を繰り返し苦しんでいたが、スタッフとの関係性を改善することを決意。
それに加えて美容師の待遇改善を目指し脱ブラックサロン化を進め、一日8時間労働、時間外手当100%支給、有給休暇10日以上消化、日曜日定休、復帰しやすい育児休暇後の制度などを導入。現在は50%のスタッフが勤続10年以上であり、業績向上に貢献してくれている。
また、スタッフの所得向上を目指して「売上UPの仕組み」を取り入れ、客単価3000円以上UP,売上前年対比120%UP,キャシュフロー6倍、純利益160倍を達成するなどの実績をあげる。
経営者のリスクヘッジも提唱し、労務環境整備、資金繰り改善にも精通。