こんにちは。”地方ミニマム経営”の坂本(@hiroki8280)です。
私が美容室をオープンしたのは2017年の3月でした。
オープン当初は、集客とリピートに対して意識はあったものの、客単価に関してはそこまで重要視していませんでした。
来店したお客様をリピートして、予約表を埋めていく事を大きな目標としていました。
その当時は客単価8,000円でしたが、オープニングということもあり、4ヶ月目には予約が溢れる状態になりました。
その後、大幅なメニューの見直しを3回行いましたが、今回はその理由と結果についてお話しします。
経営者として最初の超重要業務であるはずが・・・
開業してから実感したのは、客単価の設定が経営者としてすべき最初の超重要事項であるという事です。
しかし、その前の値決めが超重要であるというのは、オープンして数ヶ月経ち、予約が溢れる状態になって初めて気付きました。
「集めたお客様をリピートさせて予約表を埋める」という仕事は、ある意味美容師として当然の仕事です。
しかし、肝心の超重要業務である値決めに関しては、それまで自分が働いていた時の感覚で行っていました。
つまり、組織に属して美容師として働いていた時と同じ感覚で美容室を開業した事になります。
以前勤めていたサロンの単価が約8,000円だったので、全てのメニューでほぼ同じ設定をしました。
そして、オープンの準備期間に数ヶ月働いたサロンが単価3,000円だったので、そのサロンの価格を折り込みました。
とても重要業務だとは思えない、今考えるとかなりお粗末な仕事です。
今すぐ客単価を上げるべきだと判断した理由
私は、雇用したスタッフが美容師として働きながらも家族との時間が取れたり、美容師としても個人としても充実した働き方を実現する事を目標として開業しました。
それには、来店したお客様がまた来てもらう事が最も重要だと思っていました。
その当時の考え方も間違いではありませんが、重要な部分が抜けていました。
雇用されていた当時は、お客様がリピートして指名数や売上までは見る事ができるものの、経営の中身までは見る事が出来ません。
そもそも、それまでのサロンで実現できていなかった美容師の待遇を改善したいというのが開業の動機だったにも関わらず、雇われていた当時の環境と同じ価格設定をしていたことになります。
今考えると笑ってしまう様な話ですが、当時は本当に気付いていませんでした。
そこで、私は
・このまま1人サロンを続けていく道
・元美容師である妻と夫婦サロンにしていく道
・スタッフ雇用をする道
この3つの道を考えました。
もちろん、開業の目的は人それぞれですので
・1人サロンを成功させるのが目的
・夫婦サロンを成功させるのが目的
この様に、考え方はそれぞれで良いと思っています。
私の場合は、当初の目的である、雇用したスタッフの待遇実現という目的を変更せずに進もうと決めました。
その結果、メニュー、価格を一新して高単価サロンを目指すという選択肢を選びました。
目的から逆算したメニュー改正
まず最初に目指す方向性と、それに必要な条件を洗い出しました。
雇用したスタッフの待遇を整える為には
・法人化して社会保険完備する
・1日の労働時間を8時間にする
・週休2日で土日も休める様にする
・有給が取れる様にする
この様な条件が必要になります。
3席のサロンでこれを実現するには、少なくとも12,000円以上の客単価と6,000円以上の時間単価が必要であるという結論になりました。
そして、一人当たりの生産性が最低でも70万円は必要です。
雇用するスタッフは、30代の家庭を持った美容師さんをイメージしました。
その理由は、「休日の充実」「労働時間」や「社会保険」のメリットが大きいと感じる方が多いと思ったからです。
その結果、働く対象となる30代の女性美容師さんが、決められた労働条件の中で70万円以上の生産性を出す事が必須となりました。
当時は1人で120万ほど売り上げていましたが、休みは無く、毎日ほぼ12時間営業でしたので、これを実現するには、ビジネスモデルを丸々見直す必要がありました。
そのままスタッフを雇用しても、売り上げは上がるかもしれませんが、働き方はブラックになってしまい、当初の目的とズレてしまうからです。
目的を達成する為に行った経営改善と現在の状況
改善内容が決まった後、メニューの再構築、既存客へのリリース、新規集客を段階的に行いました。
そして、その後もこの流れを合計3回に渡って行いました。
今では、オープン当時の倍の価格になったメニューもありますが、きちんと価値を提供する事で喜ばれるようになっています。
客単価も6,000円程上がり、その状態でリピート率を90%以上に上げる事で利益が残る様になりました。
現在は、当初思い描いていた
「雇用したスタッフが美容師として働きながらも家族との時間が取れたり、美容師としても個人としても充実した働き方を実現する事」という目的から洗い出した
・法人化して社会保険完備する
・1日の労働時間を8時間にする
・週休2日で土日も休める様にする
・有給が取れる様にする
この様な条件の環境を作る事が出来ています。
スタッフは30代の女性が2名ですが、家族との時間を犠牲にしない働き方が提供できています。
経営の目的と今現在の状況の把握
私の経験上、開業当初に思い描いていた状態と、今現在にギャップがあるのであれば、それには必ず原因があります。
そして、今現在の状態から、この先目指したい状態もあるはずです。
私自身も、さらにこの先目指したい状態を実現する為に、さらにこれから改善を繰り返していく予定です。
この先目指すべき状態を実現するためには何が必要であるかが具体的に決まってくると、アクションを起こす事が出来ます。
美容室を経営する延長上に目指すべき状態があるのであれば、客単価、リピート、集客この全てに取り組む必要があります。
その中でも、やはり経営者としては価格設定(値決め)が非常に重要であると考えています。
・価格設定の根拠をどこに置くか
・どの様な基準で価格設定していくのか
・価格設定の方法
・実際にリリースする際の手順
この辺りが大きなポイントになります。
まずは目指す状態にはどの様なメニュー価格が必要であるかという所を明確にしていく必要があるのではないでしょうか?
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36歳で長野県へUターン開業してから半年経った頃、思い描いていた働き方とは程遠い状態に気付き、経営を学び、改善を行う。メニュー、リピート、雇用、マネジメントの仕組みを実践し、経営を学んで2年で客単価8000円→15000円、リピート率90%以上、クーポンサイトからの脱却、求人問い合わせが来る状態を作り、自分自身のサロンワークを半分に減らす。自らの経験を元にした経営のオンライン講座LBA(Local salon Business Academy)主催。